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六三  イエズスは衆議所の裁判で死刑の判決を受けられた


 兵士や下役人たちは、イエズスさまを、大祭司カヤファの家にひいて行きました。そこにはもはや、ユダヤ人の裁判所である衆議所が開かれ、役人たちが集まっていました。

 大祭司はじめ衆議所の役人たちはみな、はじめからイエズスさまを死刑にしようと思っていたので、なにか証拠を出そうといろいろ考えたのですが、どうしても、死刑にするような理由が見つからずに困っていました。そこへにせの証人が出てイエズスさまの罪を申し立てました。

 イエズスさまは、始めから何もおっしゃいませんでしたが、最後に大祭司が立って、「おまえは神の子キリストなのかどうか、生ける神に誓って答えなさい」と聞かれたとき、始めて口を開かれて、「あなたの言うとおりだ」とお答えになりました。これを聞いた大祭司は、自分の着ていた衣をさいて、「この男は神をけがした。あなたがたは今このことばを聞いた。この上証人の必要はない。あなたがたの意見はどうだ」と言いました。役人たちは口をそろえて、「死刑だ」と言いました。

 イエズスさまはすぐに牢にひかれ、夜があけるまで番兵をつけられておられましたが、この番兵たちは、イエズスさまを口汚くののしったり、つばをはきかけたり、たたいたりして、さんざんになぶりものにしました。

 一方、イスカリオテのユダは、イエズスさまが死刑の判決を受けられたことを聞き、今さらのように自分のしたことが恐ろしくなって、大祭司からもらった銀貨三十枚を、神殿に投げ込み、首をくくって死にました。


一 イエズスさまは大祭司の問いに対して、はっきり、ご自分は神さまのおん子であることを宣言されました。


二 罪はどんなに大きいものでも、どんなに重いものでも、心から悔い改めれば神さまはきっと赦してくださいます。ユダは、自分の罪が赦されないものと思い、神さまに絶望して自殺したのでした。このように自殺は神さまのおん愛をふり切ることですから、恐ろしい大罪です。


三 
「心の柔和けんそんなるイエズス。われらの心をみこころにあやからしめたまえ」 (公教会祈祷文 152ページ)

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